「真夏のオリオン」…少女マンガタッチの戦争映画

「真夏のオリオン」はその「ローレライ」の原作者である福井晴敏氏が脚色スタッフに加わっているだけあって、姉妹編といっていいくらい映画の構成がよく似ています。
ただし、どちらかというとファンタジー寄りの作品だった「ローレライ」と比べてこちらのほうはリアリズム重視の内容で、戦争映画というよりかは恋愛ドラマといった趣が色濃く漂っています。
この作品は日本海軍の潜水艦イ77と米海軍の潜水艦キラーの異名をとる駆逐艦パーシバルとの、いや両艦の百戦錬磨の艦長同士の頭脳戦を描いています。
両者の騎士道精神に満ちた戦い方といい、あの名作「眼下の敵」と非常によく似たプロットと言えます。
ですがこのプロット自体、今や海戦映画の1つのフォーマットと化しておりますし、この2作の類似もさほど気になるものではありません。
実際の米駆逐艦上でのロケーション、イ77潜内部の緻密なセット、迫力のあるVFXなどで再現された海戦シーンはなかなか見応えのある出来映えです。
両艦長がお互いの戦略のウラの読みあうくだりはていねいに描写されていてる。
爆雷と酸素魚雷の攻防、特にイ77潜に搭載された悪名高き人間魚雷回天の使い方などは感心させられました。